就活エージェントは使うべき?メリットと注意点
就活エージェントは、自分で企業を探す手間を減らしたい人と、選考の相談相手がほしい人に向いています。一方で、紹介される企業は担当者の持ち駒に偏ります。使うなら「情報源の一つ」と決めて、志望の軸は自分で持っておくのが安全です。
27卒・28卒は選考の早期化が進み、秋から動く人が増えています。エージェントは無料で使えるので、気軽に登録する人も多いです。登録の前に、仕組みと相性を知っておくと迷いません。
就活エージェントはどう動くのか
就活エージェントは、学生と企業の間に入って求人を紹介するサービスです。登録すると、担当のアドバイザーとの面談が入ります。希望や経歴を聞いたうえで、合いそうな企業を数社すすめてくれます。
使い方の流れは、おおむね次の4段階です。
- サイトで登録し、志望業界や希望勤務地を入力する
- アドバイザーと面談(オンラインが多い)
- 求人の紹介を受け、応募する企業を選ぶ
- ES添削や面接練習を受けながら選考に進む
学生側の料金はかかりません。企業が、採用が決まったときや紹介を受けたときに費用を払う仕組みだからです。この収益構造を知っておくと、後で出てくる注意点が腑に落ちます。
似たサービスとの違い
名前が似ていて混ざりやすいのが、逆求人サイトです。エージェントは担当者が人力で求人を選んでくれます。逆求人は、プロフィールを登録しておくと企業から直接スカウトが届く仕組みです。後者の使い方は逆求人(スカウト型)サイトの使い方と注意点で詳しく説明しています。
就活サイト(ナビサイト)とも違います。ナビサイトは自分で検索して応募する場所で、エージェントは相談しながら絞り込む場所です。
使うと得をする3つの場面
エージェントが力を発揮するのは、次の3つの場面です。
- 志望業界が決まらず、知らない企業を見せてほしいとき
- ES添削や面接練習の相手がほしいとき
- 就活の開始が遅れ、短期間で選考に乗りたいとき
たとえば、部活やゼミで忙しく、企業探しに時間を割けない人を考えます。この人が週に1回30分の面談を入れると、応募先の候補が数社そろいます。自力で検索する時間を、ESを書く時間に回せます。
ES添削は、人に読んでもらう価値があります。AIでも下書きは直せますが、企業ごとの通過傾向までは知りません。AIでの準備方法はESをAIで添削する方法に書いたので、人の添削と組み合わせてください。
気をつけたい4つの落とし穴
収益構造から、エージェントの側にも事情があります。次の4つは、使う前に知っておきたい点です。
- 内定が出るほど担当者に成果が入るため、早い承諾をすすめられやすい
- 紹介先は、そのエージェントと取引のある企業に限られる
- 人気企業や大手の求人は、紹介の対象になりにくい
- 担当者の経験や相性に差があり、面談の質がばらつく
特に1つ目には注意が必要です。「この企業なら通りますよ」と背中を押されても、自分が納得していなければ流されないでください。内定承諾の期限が短く設定されていても、延ばせる場合は多いです。承諾の考え方は内定後にやるべきこと・内定承諾の判断基準にまとめています。
2つ目も見落としがちです。エージェント経由の求人は、市場にある企業の一部にすぎません。紹介された企業だけを見て「世の中にはこういう会社しかない」と思い込むと、視野が狭くなります。
向いている人と、向いていない人
向いているのは、次のような人です。
- 志望が広く、絞り込みに壁打ち相手がほしい人
- 初めての選考で、ES・面接の流れをつかみたい人
- 就活の開始が遅れ、短期間で動きたい人
向いていないのは、すでに志望業界が固まっている人です。大手や外資系のコンサル・金融など、人気企業を第一志望にしている場合、エージェントの出番は少なくなります。この場合は、企業の採用ページから直接応募したほうが話が早いです。
依存しすぎない使い方
エージェントを使いながらも、主導権を手放さないための手順があります。
登録前に軸を一行で決める
面談で「どんな仕事がしたいですか」と聞かれて、何も答えられないと、担当者の持ち駒から選ばれます。「人と話す仕事」「数字を扱う仕事」程度でよいので、先に一行で書いておきます。軸の作り方は就活の軸の決め方と例文が参考になります。
複数の窓口を並べる
エージェントは1社に絞らず、2社までにします。それ以上は連絡が増えて、返信だけで疲れます。同時に、ナビサイトや逆求人、大学のキャリアセンターも並行して使います。情報源が複数あれば、一人の担当者の意見に染まりません。
紹介された企業は必ず自分で調べ直す
紹介された企業は、公式サイトと口コミで裏取りします。担当者は良い面を中心に話すので、働き方や離職率は自分で確認してください。調べ方は企業研究のやり方で説明しています。
断る練習をしておく
「この企業はやめておきます」と言えることも、使いこなす条件の一つです。断っても、料金が発生したり、扱いが悪くなったりすることは、通常ありません。むしろ、希望をはっきり伝える学生ほど、紹介の精度が上がります。
秋から使うならこの順番で
27卒・28卒が秋に始めるなら、次の順番がおすすめです。
- 軸を一行書く(所要15分)
- エージェントを2社に登録し、面談の予約を入れる
- 面談前に、見たい業界を3つ書き出しておく
- 紹介された企業のうち、自分で調べて納得した会社にだけ応募する
登録から面談までの間に、自己分析も進めておくと面談が実りあるものになります。進め方は自己分析のやり方 完全ガイドにまとめています。
エージェントは、あなたの代わりに就活をしてくれる存在ではありません。上手に使えば、視野を広げて準備の時間を生み出してくれる、頼れる相談相手になります。軸は自分で持ち、情報は複数の窓口から集める。この形で、納得できる一社に近づいてください。早慶合同就活会議は、あなたの就活を応援しています。
よくある質問
Q. 就活エージェントに登録すると、必ず企業を紹介されますか?
必ずではありません。希望条件や経歴によっては、紹介数が少ない場合もあります。紹介が少ないときは、条件を少し広げて再相談するか、別の窓口を使うと進みます。サービスごとに扱う企業が違うので、1社で判断しないでください。
Q. 面談のあとに断ると、選考で不利になりますか?
通常は不利になりません。エージェントは企業に学生の評価を伝える立場ですが、紹介を断った事実だけで評価を下げることは考えにくいです。断る理由を一言添えると、次の紹介の精度が上がります。
Q. 大学のキャリアセンターとエージェントは、どちらを優先すべきですか?
どちらかを選ぶ必要はありません。キャリアセンターは大学に届く求人や、先輩の就職実績を持っています。エージェントは民間の求人網を持っています。役割が違うので、並行して使うのが現実的です。
Q. エージェントから連絡がしつこいときは、どうすればよいですか?
連絡手段をメールだけに絞りたいと、担当者に伝えてください。多くのサービスは、希望を伝えれば連絡頻度を調整してくれます。改善しない場合は、退会の手続きも用意されています。
Q. 内定が出てから、エージェントを使い始めても遅くないですか?
遅くありません。内定が1社あれば、気持ちに余裕が生まれて、冷静に比較できます。ほかの選択肢を見たい人には、内定後の登録も有効です。企業の承諾期限には注意してください。